福井のテキスタイル
伝統
羽二重の整経
福井産地の歴史は古く、奈良時代には既に織物が生産されていた。さらに明治時代には国内屈指の織物生産地として国内外に認知されていた。当初、絹羽二重織物からはじまった福井産地は、現在主力をポリエステル長繊維織物に変えて、その分野で出荷額全国一位を維持し続けている。またそれらの用途はファッション衣料にとどまらず、産業資材など幅広い分野で使用されている。羽二重、絹(シルク)織物といった伝統を継承し続けるメーカーと、人々の快適な暮らしを支える最先端技術を追求するメーカーにより、福井は日本を代表するテキスタイル産地になった。
・ポリエステル長繊維織物出荷額全国1位(全国に占める福井の割合34.8%)
・羽二重類(交織を含む、広幅もの)出荷額全国1位(全国に占める福井の割合54.9%)
・その他織物織物(ポリエステル・羽二重以外)出荷額全国1位(全国に占める福井の割合20.4%)
[ 平成28年産業センサスより ]
多様性
ジャカード織機
明治期に世界中へ輸出した羽二重は、時代を経るごとに様々なテキスタイルへと進化した。 現在組合に加盟する企業で作られるテキスタイルは、ポリエステル、ナイロン、アセテート、レーヨン、絹の他にも、綿、麻、和紙など様々な素材を使用し、今日も進化を続けている。一般的なタフタの他に、ドビー、ジャカード、ベルベット等様々な織物があるのも福井の特徴と言われている。和紙羽二重、和紙のベルベットは、福井産地以外では見ることができないテキスタイルに違いない。織の他にも、撚糸、染色、加工、縫製など織物に必要な様々な工程が全てそろっているのもテキスタイル産地として心強い。
最先端の素材
エアージェット織機
空気で緯糸(よこいと)を飛ばす織機エアージェット、水で緯糸(よこいと)を飛ばす織機ウォータージェットで織られた超薄テキスタイルは、インナー素材、アウター素材として使用されている。また、福井産地のテキスタイルは、永年培われたその技術力を活かし、非衣料分野でも広く活用されていることはご存じだろうか。家電、機械、カーシートやエアバッグ等自動車関連、アウトドア関連、農業用シート等に、福井のテキスタイルが使用されている。例えば、紅茶を包んでいるティーパックの素材は、福井で作られている。目に見ても美しいこれら資材用途のテキスタイルから、新しいファッションが生まれるかもしれない。
家電・機械関連 | プリンターリボン、電磁波シールド、フィルター類、スピーカー等 |
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自動車関連 | マット、シート、ダイヤフラム、エアーバック、ベルト基布等 |
土木関連 | 建築内装材、コンクリート基布、防護ネット、防音シート等 |
スポーツ・レジャー関連 | パラグライダー、テント、アウトドアグッズ等 |
その他 | シーアンカ、ろ過材、屏風、テープ、バグフィルター、海中パラシュート、傘地、等々 |